オシャレな人はパクチーばかりいつも食べている

パクチー食べません。コメントください。

電子レンジだけで作れるかんたんパスタ(レシピ編)

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きょうのブログは木下くん(仮名)について書きます。

木下とは、三年くらい前に、派遣で行った缶詰の工場のバイトで知り合った。木下は二メートル近いスラっとした長身でハキハキと仕事をこなしていて映画スターのような雰囲気で、頭も良いし、初めはとても年下とは思えなかった。

その缶詰工場では、鯖の味噌煮とか秋刀魚の蒲焼きとかの缶詰を作っていて、さいきんはそういう缶詰は国内では作っていないことも多いのだけれど、その工場はちょっと高い値段の缶詰を国産原料だけで作っているブランド系の缶詰の工場で、僕と木下は検品の担当だった。

一日しか行かない派遣の仕事だったけれど、ビートルズとか毛皮のマリーズとかの音楽の話、ウディ・アレンの映画の話、あとはヤマザキパンのバイトだけは二度と行きたくないよね、という話とかで意気投合して、すぐに仲良くなった。その工場の仕事の一日が終わって、帰り際に些細なことで僕は中年のバイト作業員と言い合いになってしまったのだけれど、木下はめんどくさそうな顔をしながらも僕の見方について相手を諌めてくれて、場を収めてくれた。

そのあとも、僕たちは同じ派遣会社に登録していたので、焼肉屋のホールとか、小諸そばの厨房とか、そういうバイトで偶然に会ったりもしたが、どういうわけか会う度に木下は背が縮んでいて、それに比例して横に成長していって、気がついたらいまの木下の姿になっていて、出会ったころとはまるで別人のようになってしまったが、そんな木下くんも僕はけっこう好きだったりする。

彼が実家に帰省しているときに、壊れた洗濯機と冷蔵庫のセットを僕が彼の部屋に勝手に押し込んでいたらあとで真剣に怒られたりとか、いろいろな思い出がある木下くんだが、いずれは年収五〇〇〇万が確約されているという、町役場の清掃課に就職の口を見つけたようで、きょう、彼は実家のある九州に帰っていった。春は出会いの季節であり、そして、別れの季節なのである。

きょうは彼の家で遅い午後に待ち合わせして、思い出話をしながら羽田空港まで送って、出発まで時間があったのでコーヒーを飲んで握手して見送った、というのは嘘で、気がついたら木下は福岡に着いていたのだけれど、飛行機は落ちなかったようで、ほんとうに良かったです。

ブログというのは本来は日記のようなものを書くところだと思うのだけれど、このブログは積極的に嘘を書いていこうと思っています。

眠いのと疲れているのでふらふらするのできょうは早く寝たいと思うのだけれど、さっき家に帰ったばかりなのに気がついたらもう日付が変わっているし、ほんとうにふらふらするので風呂に入って川端康成を読んで寝ます。

ランチも楽しかったし、木下には会えなかったけれど、楽しい一日だった、という日記っぽい一文できょうは終わります。