オシャレな人はパクチーばかりいつも食べている

パクチー食べません。コメントください。

わたしがニューさがみやを絶賛する100の理由

蕎麦について、それも、江戸前の蕎麦について、わたしがそれはもう鬱陶しいくらいにはブツブツといちいち小うるさい人間であることは、既に皆さんご存知かもしれないが、当然のように実はうどんにもそれなりにうるさい。

しかし、ほんのしばらく前までは、美味しいと思うお気に入りの東京のうどん屋さんが無かった。有名な店とかすこし高い店とかに行ってもなんだかいまいち、かといって、香川にまでうどんを食べに行くほどの熱意もなく…。

蕎麦屋が片手間で出しているうどんというのが世の中多くて、うどんの専門店というのはその数でいえばそう多くない。

折からの讃岐うどんブームでチェーン店も増えたが、ピュアな讃岐うどんが食べたい、というわけでもなかったりする。その讃岐うどんブームも落ち着きを見せてきたのか、最近は一頃ほどにはうどんという食材は大騒ぎはされていない様子ではあるが、太くてコシのある麺にいりこと昆布の出汁、セルフサービススタイルの店舗で揚げ物のトッピング、というようなスタイルの都内に展開されているチェーン店もいくつもある。でもはっきり言ってどこに行っても特に美味しいと思った試しがあんまりなかった。

何年か昔、池袋のほうでたまたま入ったうどん屋が、本場の讃岐スタイルで、麺を丼にもらってポットから出汁を注ぐスタイルで、しかもめずらしく細打ちのうどんを扱っていたし、価格も250円とかで東京にしては安かったので、すごく感動したのだが、しばらくしてもう一度行こう思った頃には、気がついたらその店は潰れていた。

そんなわけで、けっこううどんも好きなくせに、そんなに「美味しいうどん」というものを意識して探したことがなかったのだが、それが、ここ数ヶ月前からふと、わたしは突然にうどんを追求し始めたのだった。笑
そもそもの、この個人的なうどんブームのきっかけは、アマゾンプライムで美味しんぼのアニメで手打ちうどんの回を見たこと、だった。笑
蕎麦は、心から美味しいと思えるお気に入りのお店がもういくつかはあったが、うどん屋はそういえばあんまり真剣に開拓したとことがなかったということに、美味しんぼのうどんの話を観て気がついた…。

学生の頃には、105円でかけうどんが食べられることに釣られて、よくはなまるうどんで食べていたが、大人になってからはほとんど行かなくなった。それで改めて先日ひさしぶりに食べたらけっこう絶望的だった。味の素の味しかしない。麺も風味が全くないし…。腹を満たすだけならいいとは思うが。あとは丸亀製麺は出汁が苦手、とか。もう随分いっていないからわからんけど。

そして、有名店も含むいくつかのうどん屋を巡って、オニヤンマでひとつの答えが見えた気がしていた。基本的にいつも、冷かけ、かけ、の二種類しか食べないのでなんとも言えないが、麺のクオリティも、出汁も、一定の水準をしっかりと超えているし、とり天(120円で3つ)も生姜が効いていて評判通りにけっこう美味しい。肉うどんも良かった。ほかのチェーンに比べると、麺はずいぶんと良くできているし、出汁も、多少の品質のムラが日によってあるにせよ、概ねハズレにはならない。一度だけ、深夜に行った時に、ものすごく混んでいて、茹でおきの麺にあたってしまったことがあった。明らかに食感も風味も落ちていて、お世辞にも美味しいとは言い難い麺だったし、出汁もなんだかいつもより煮え過ぎていて美味しくなかった。とはいえ、価格を考えると本気で文句を言う気にはならないし、美味しく食べられることの方が多いので別に文句という程の文句はない。あと、食券制なのも良い。はなまるうどんみたいな、セルフの店なのに前払いレジ会計スタイルは、前の客が詰まっていると、できたてのうどんを目の前に会計を待たされることがあってそういえば昔からよくイライラしていた。のびた麺が大っ嫌いなんだよオレは。並びながら食ってやりたいくらいだった。(※さすがにしません)

オニヤンマは、卓上に置いてあるぶっかけの醤油を味見したら、その味がすこしわたしには甘すぎてあまり好みではなくて、ぶっかけは頼んだことがなくて、冷たいのが食べたい時はいつも冷かけを頼んでいる。冷かけはメニューには載っていないが、冷ぶっかけの食券を買って、カウンターで冷かけで、と言うと冷かけにしてくれる。
後述するが、うどんの真髄は冷かけにある、と個人的には思っているくらいに、冷かけってすごいと思うんだよな…。冷かけは、そのうどんの本質がよく見える。麺の素性が丸見えになってしまうし、出汁も、しっかりそのものの味がわかってしまう。ので、日ごとのブレとかもよくわかるのだが…。

あとは、東京のうどんのランキングではたいていトップ付近にはランクインしている丸香にもわざわざ行ってみたけど、個人的には、ちょっといりこの甘みと苦味が強すぎる気がした。東京もんのわたしには、いささか讃岐過ぎる、のかもしれない。

さて、そんなこんなで、オニヤンマで概ね満足したような気がした日々を過ごしていたときに、三宿通りから山手通りに抜ける蛇崩のところの道沿いに、うどんと書いてある建物をみかけた。幾度も通っている道だったが、うどん屋にそんなには興味がなかったので、いままではあまり視界に入っていなかったのかもしれない。(ここからがやっと本題)

さっそく店名で検索すると、なかなかの評判っぽい。これは! と思い、初めて行ったのが、たぶん二ヶ月くらい前。

メニューを眺めて、まずは、むじなうどんをオーダー。肌寒い雨の日だったので温かいうどんにした。
むじなうどんは、たぬきときつねとわかめが乗っているかけうどん。
どんなうどんが出てくるのかワクワクしながら待つと、淡くて優しい出汁と、細めの麺の組み合わせ。その日の具材や麺の塩梅は、いま思っても、正直、ニューさがみやの実力の全てを発揮できてはいなくて、100点満点の仕上がりではなかった。香りや風味にほんの少しだが濁りを感じて、疑問に思うところがあったのだが、それでも、トータルでの満足感は高く、ついに通えるうどん屋を見つけた!! と心から嬉しく思った。濁りを感じて〜というくだりは、もしかしたら普通の人なら何も思わないかもしれないが、俺は気になった、というだけの話なので、変な味がしたとかそういうことではないので悪しからず…。麺の洗いが足りなかったのか、出汁がうまく仕上がっていなかったのか…。わからんけど。でも、機械が作ってるわけではないんだし、許容範囲のなかであれば、仕上がりにムラがあることは仕方がないことだし、おそらく気づかない人は全く気づかないだろうし、別にそれが悪いとは思わないし、というか、許容範囲のなかでのムラがあるのは別にむしろ当然のことだと思う。

ニューさがみやは、平日のランチタイムは当分はセルフサービスです、という奇妙なスタイルの営業で、はじめはすこし戸惑うが、でもなんだか面白いし、決して嫌な感じでなはない。おしぼりとお茶は自分で用意して、注文は卓上のメモ紙に書いてから厨房に伝える。忙しいとお会計もセルフで、と言われる。これは斬新。笑
でも、うどんは美味しいわけだし、別に手厚くもてなされたくて来ているのではなくて、うどんが食べたくて来ているわけだし、別にこれでいいと思うけど。

そんなわけで、リピートが確定して、その次の日もきてしまった。そして、ついに、冷かけをオーダー。ドキドキしながら食す。ちなみに安い。冷かけは550円。ランチなら大盛りも無料。

 

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ん!! 美味いぞ!!
出汁のバランスも、麺の加減も、本当に最高。

出汁は、いりこを前面に押し出しすぎていないのが良い。昆布といりこの出汁が絶妙に溶け込んでいるが、強く主張しすぎない。かといって、醤油が強いわけでもない。一言で言うと、調和。自分で料理をしていても思うが、塩気でも甘さでも出汁でも、どれかが主張しすぎていると永遠に美味しくならない。濃度というのはとても大切なのだと思う。化学調味料のことをいろいろと考察した結論も同じだった。結局は、濃度の話。と、ここで書くと話が逸れるので、化学調味料の話は文末で。笑

とにかく、とてもバランスよく仕上がっている冷たい出汁にいたく感動してしまったのだ。

麺も、ほんとうに絶妙。小麦の風味が綺麗に香る、喉越しと歯ごたえがほんとうに絶妙な麺。

これはなかなか再現できないし、同じレベルの麺を出す店をまだ知らない。

いろいろとメニューのバリエーションがあり、壁に貼られているのだが、わたしは結局、冷かけがいちばん好きだった。ここのうどんは、具がない方が好きなタイプのうどんなのかもしれない。けっしてほかのメニューがダメなわけではないし、もちろん美味しいのだが、ピュアにうどんを味わいたくて、いつも冷かけを頼んでしまう。それ以来、必ずだいたい週1ではニューさがみやに通っているが、ほとんどずっと冷かけを食べている。平日のランチは大盛りが無料なのも嬉しい。
麺そのものが美味しくて、すぐに無くなってしまうので、大盛りで丁度いい。

季節の限定メニューなども気にはなるし、カレーも美味しいらしいので一度食べてみたいのだが、それでも、ここに来るとつい冷かけを頼んでしまう。

冷たい麺というのは、本当に麺の本質がよくわかる。そして、具のない素うどんは、出汁の味も丸裸になってしまう。麺と出汁をしっかりと味わえる冷かけ、なんでそんなにメジャーじゃないのか、個人的には謎。新しい店に行くと、蕎麦でもうどんでもそうなのだが、冷たい麺をまずは食べてみることが多い。

営業時間が長いとか、店舗がいくつかあるとかで都合がよいこともあって、いまでもオニヤンマにもよく行くが、ニューさがみやがに行けるシチュエーションなら、迷わずニューさがみや。

もともとはさがみやというお蕎麦屋さんがあった場所にいまのお店があるので、それでニューさがみやという名前になった、とネットには書いあった。ニューさがみや、で検索すると、同じ名前の熱海かなんかの旅館が上位にヒットする。笑
確かに、言われてみれば、旅館みたいな名前だな…。じわじわ来るネーミング。

出汁と麺の完成度のことばかり書いたが、そう、お店もなかなかにユニーク。店主の三木さんは本当にフクロウを飼っているらしいのだが、店内にも店外にも、ちょいちょいフクロウ関連の物品が置いてある。
レコードが飾られ、本棚には趣味性の高い本がずらり。三木さんとは、出汁の話とか、昔のロックの話とかをたまにしたりする。
うどんを待つ間はわたしは大抵、そこに置いてある暮しの手帖を読んでいる。

駅も近くないし、あまり便利な立地とは言い難い場所だが、幅広い世代の客層でけっこう賑わっているし、地域に愛されているお店なんだな、いつもと思う。末長く続いて欲しいお店。

ごちゃごちゃ書いたが、麺、出汁、価格、とてもバランスが良いうどんが食べられるお店なので、機会があったらどうぞ行ってみてください。

このブログのタイトル、なんかすごい適当に書いたけどさ、100個も列挙できるような話じゃないって、どう考えても書く前からわかってたことだよな…笑


まあとにかくオススメのお店です。

 

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http://www.new-sagamiya.com/

 

https://g.co/kgs/NvNrUK

 

https://www.google.co.jp/amp/s/s.tabelog.com/tokyo/A1317/A131701/13168961/top_amp/

 

 

 

 

最後に、化学調味料のことを少し。笑

調味料(アミノ酸等)と食品の成分表示に書かれているのが化学調味料。成分はグルタミン酸ナトリウム等。別に悪いものではない。昆布の旨味の主成分だ。それを効率よく化学的に処理して使いやすくしたのが化学調味料。なんだ昆布の旨味か、という話なのだが、先にも書いたように、旨味というのは濃すぎても美味しくなくなってしまう。わたしが味の素が苦手な理由はそれだった。実験的に、味の素の入った調味料などを、塩や醤油を使って、塩分濃度を維持しながら薄めてみたところ、ある一定の薄さになると、あの化学調味料特有の違和感が消えた。そのことから、化学調味料が入っていないことが重要なのではなく、化学調味料が入っていたとしても濃度が薄いことが大切なのだということがわかった。化学調味料不使用、と書いてある食品が美味しいとは限らないのも事実で、化学調味料を使わないがために、塩分や糖分で味わいごまかしているケースにも多々出会う。化学調味料をつかわないで旨味を出すためには手間も金もかかる。それを目下の健康志向のために無化調をうたうと、手間やコストが追いつかず、塩や砂糖で味をごまかすことになる。