オシャレな人はパクチーばかりいつも食べている

パクチー食べません。コメントください。

9月のある日の日記

別にいま暇なわけではないのだが、なんだか充実した一日だったなぁと思うので日記を書きます。

 

9月某日

 

わりとちゃんと早起きした。父親と、介護施設で暮らしているじいさんと、食事に行くことになっていたので、車椅子を積みやすいようにと、普段遣いのライフから貨物車のバモスに車を入れ替えた。じいさんと父さんを乗せて、目黒通りの大黒屋という鰻屋に向かった。大黒屋という店は目黒通りにいくつかあって、米屋のほうの大黒屋、鰻屋のほうの大黒屋、などと呼びわけないとどっちの大黒屋なのかわからなくて混乱を招くことになる。と、いくつかある、とは書いたものの、大黒屋がほかにもあったような気がしたのだが、考えてみたが思い浮かばなかったし、調べてみたけど出てこなかったので、目黒通りの大黒屋は、正確には2個ということになるらしい。

 

この大黒屋という鰻屋は、絶妙なポジションにある鰻屋で、経営母体的にはチェーン系の店なのだが、大黒屋自体は2店舗しかないので、個人店に近い感じもある、不思議な店なのである。味のほうも同じで、最上の味でもないが、ファミレスの味でもない、という、そう、絶妙なところなのである。もっとコスパがいい鰻屋も、もっと美味しい鰻屋も、ほかにあるし、個人的にわざわざこの大黒屋に行くことはあまりないのだが、駐車場を完備していて車椅子で入りやすいなどの点から、今回のように家族で行くことが以前にも何度か有った。前回行ったのも家族とで、たぶん2012年とかのことだったと思う。

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う巻きがとても綺麗だった


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偏光サングラスをカメラのレンズの前に置いて撮った。肝が綺麗に撮れている。


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偏光レンズなしだとこんな感じ。偏光のほうが、ややくっきり見えてる気がしない?

うな重の上とう巻きを頼んで、祖父、父、おれ、の3世代でうなぎを食べた。うなぎはふっくらよりもパリッと寄りの仕上がりで、個人的にはやや脂が乗りすぎているようにも感じたが、まずまずの美味しさだった。お米は粒が大きめで、ちょっと固めで、トータルで綺麗に炊けていた。タレは甘すぎはしないがキリっと感はなく、あんまり印象に残らない味だった。う巻きはすごく綺麗に巻けていてよかった。祖父は卵が好きなので、嬉しそうに食べていた、と思う。

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じゃじゃじゃーん


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なんだかんだで美味しかったっすよ


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とはいえうなぎは尊いよ…


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脂ノリノリやな


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米は粒大きめ、しゃっきり炊き

 

 

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塩パンおいしかった

 

 

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武蔵小山のコーヒー。自家焙煎とのことで、とても美味しい!

 

食事のあとは目黒通り沿いの最近テレビに出て人気だと父がいうパン屋でパンを買った。そのあとは武蔵小山でコーヒーを飲んで、祖父を車で介護施設に送り届け、父親も実家に送って、車をライフに戻して家に帰った。うなぎの脂で胃もたれしたのか、家についたとたん、急激に眠くなってすこし昼寝してしまった。

 

そのあとはちょっと仕事に行ったりして、夕方過ぎに自由になった。

暑さが和らいできたのが嬉しくて、久しぶりにバイクのエンジンに火を入れた。最後に乗ったのがいつだったのかもはや思い出せなかったが、予想外にバッテリーも元気だったし、流石はインジェクション、ぐずることなくサクッとエンジンがかかった。

 

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どこへいこう。

 

と、エンジンのかかったバイクに跨ってワクワク考える暇などはなく、とりあえず行きつけのカーディーラーへ。ずっと担当してもらっていた営業のK藤さんが異動になってしまって、最終出勤日だったので会ってきた。というよりは、オーダーしていた部品をはやく引き取って欲しいと言われていたのでその支払いと引き取りに行かなければならなかったという方が表現としては正しいのだが、そこでK藤さんといろいろ話して、目黒通りを環七に向かって走り出したところでバイクを路肩に停めて、狛江の蕎麦屋に電話した。

 

その蕎麦屋は、土日祝はわりと早くに蕎麦がなくなってしまうことが多いので念の為電話したのだが、数枚分ならまだ蕎麦があるとのことだったので、1枚予約して、狛江に向かって走り出した。もう4年近く通っている蕎麦屋なのだが、蕎麦業界でも定評がある、というような店で、メディアで話題とかそういう系の店ではない。とにかく、きちんと安定した仕事をしている、というような店なので、いわば、おれのなかの蕎麦屋ベンチマーク的な存在かもしれない。

道すがら、行列の出来ているべつの蕎麦屋(たいして美味しくない)を尻目に見ながら、電話しておいた「志美津や」へ久しぶりに到着。すこし前に来ようとしたときは麺切れで行くのを断念したのだが、この日も、いつも好んで食べている粗挽き蕎麦や小そばは売り切れだったので、普通の十割蕎麦を予約しておいてもらい、自家製梅干しの冷かけ蕎麦を頼んだ。あご出汁のつゆは甘さと辛さのバランスが絶妙で、するすると飲み干してしまった。飲み干してしまったあとに蕎麦湯をお願いして、蕎麦湯だけを飲んで席を立った。ここの主人とは顔なじみで、近況を話したり、そばがきのコツ(今度の仕事で使う)を聞かせてもらったりして、店をあとにした。

 

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This is 志美津や!!


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自家製梅干しが美味しい!

 


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我々人類は、蕎麦湯を飲むために蕎麦を食べているのかもしれない

 

狛江、という街は昔付き合っていた彼女が住んでいたので来るようになったのだが、逆に言えばそうでもなかったらほとんど来ることのなかった街だった。いまでも、この蕎麦屋に来るためだけくらいしか来ることはないが、喜多見の駅前を通り過ぎながら、そのころのことをふと思い出したりする。

世田谷通りをすこし上り、玉堤通りに出て、なんとなくブックオフに寄った。何か欲しいものがあったわけではないのだが、村上龍のとある文庫本が、何という単行本から文庫化の際に改題されたのかを急に知りたくなって立ち寄った。無事にその文庫本の在庫があり、もとの単行本の題は「どこにでもある場所とどこにもいない私」だったことを知り、満足して別の本を何冊か買った。1階の古着などを扱うコーナーに、1980円と手書きの値札がついたアコースティックギターがあり、少し迷ったが値引き交渉をして1000円に負けてもらって買った。なぜ買ったのかはよくわからない。無名ブランドのものだったが、スプルース単板のそこそのいい材質だったのと、ちょこちょこメンテしたらちょっとは鳴りそうだったのと、メルカリで13000円くらいで売れた記録があったので、まぁとりあえず買った。しかし、よりによってバイクで移動している日に…と少しだけ思いながらダサい配色の付属のソフトケースで背中にギターを背負って二子玉方面へ走り出した。

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ジャンク品、と書いてあったが、大きく壊れたりはしていなかった。聞いてみると、単に楽器担当者が不在の店になってしまったので、取り扱いを終了するため、ジャンク扱いにしている、とのことだった。

 

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とにかくダサいソフトケース。ブランドも聞いたこと無いし、、

 

 

アメスタの前を通ったとき、引き寄せられるようにアメスタに入ってしまった。アメスタというのはアメリカンスタジアムの略で、バッティングマシーンとオートテニスを完備している施設だ。プリペイドカードを買うと数百円分お得になるので、ここのプリペイドカードはいつも財布に入っている。珍しくテニスに人が並んでいたが、すぐに空きそうだったので、無料のレンタルラケットを借りて順番を待った。無料ラケットがブランド物のちょっとだけいいやつに変わっていて嬉しかった。すぐに順番が来て、ブースに入って、カードを機械に差し込んで、残高が300円減ってゲーム開始のランプが点いた。ポコポコ飛んでくる球をひたすらバシバシ打ち返す。そこそこいい運動になったなぁなどと思いながら、今度はバッティングブースに入り、200円でバッティングを開始した。思いの外打てて、ちょいちょいホームランも出せたが、終わってミスったボールをノックしようとしたのだが腕が疲れて思うように打てなくて、ブースの外で待っていた少年にそれを見られていたのがちょっとばつが悪かった。

 

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ほら、ブランドラケット!前のはなんかスクエアな変なやつだった


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オートテニス楽しい

 

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意外と打てて嬉しかった


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この空気感、カビ臭いエアコンとタバコのニオイがまざった、なんというか、ラブホのロビーみたいな匂い、不思議な懐かしさがある

 

 

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斬新な荷物の積み方をしていたベンリィ

 

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バイクなのになぜこういうものを買うんだ

 

その後は三茶に寄って、オーケーでビールなどを買ってダンボールにいれてバイクのシートにくくりつけ、それから地元のドンキとツルハで買い物をした。ツルハには昔働いていたころの知り合いが今もいて、少し立ち話をした。その時点ですでにかなり荷物が多くなっていたのだが、さらにその後にうっかり馴染みの酒屋に寄ってしまった。

ブランデーとウイスキーを買いながら、また近況を話したり、この前の台風で目黒駅の前が冠水した話をきいたりして、家に帰った。

ギターを背負って、ワイン3本とブランデーと、トイレットペーパーとビールをたくさんと、ハンドソープのつめかえを20パック持って、帰宅した。

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鬼買いしたハンドソープ。ストックがないから詰め替えられない、とはもう言わせない。

 

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白金台のドンキは、ドンキなんだけど、ちょっと変わった雰囲気あるのでたまに行くと面白い

 

少しだけその新しいギターのメンテをして、別のギターを持って酒を飲みながら近所の森に行った。その森では夜中でもギターを弾いて歌えるので、ときどき、客のいないストリートライブをひとりでしている。

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ストリートライブのお供はインドの青鬼

 

いつものようにしばらく歌ったら雨が降ってきて、仕方がないので屋根のあるところに移ってまた歌っていたら、雨に濡れながら自転車のおまわりが二人来た。歌声が聞こえると通報があったらしい。いままでは何も言われたことがなかったので、どうやら場所を移ったのがまずかったみたいだった。いつものところは森の中心部なので、森を通る人以外には聞こえないのだが、移動したあとの場所は公園の出口に近いので、たぶん、外の住宅街に聞こえてしまったのだろう。

おまわりのうちの一人が、そのギターけっこう高いですよね、と話しかけてきた。おれが弾いていたのはKヤイリという国産ブランドのギターで、10代のころに買ったやつだった。あーそうですね、10万くらいとかですかね、なんて答えたのだが、そのおまわりさんも昔ギターをやっていたらしく、自分もガキのころに路上で歌ってたら警察が来たことがあって…とか言ってたので、それはおまわりさんになる前ですか? と聞いたら、もちろんそうです、と言われた。あとはギブソンが、とかマーチンが、とかそんなようなことを少し話して、住所を聞かれたがそこは適当にはぐらかして、小雨降る中をおとなしく退散した。

 

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ストリートライブは猫が聴いていた

 

帰宅して、同居人といろいろ話したりして、また酒を飲んで、気がついたら朝になって、雨が強くなっていた。

 

ふと、悪くない一日だったな、と思った。